【新刊紹介】
ワールド・カルチャーガイド13 「ミクロネシア」
−「小さな島々」の素顔に出会う−
トラベルジャーナル社 \1,900
初めてミクロネシアに関心を持ったとき、私たちはとりあえず書店に行ってガイドブックを探してみる。ところがグアムやサイパンともかく、パラオやFSM、マーシャル諸島について書いてあるガイドブックはほぼ皆無と言っていい状態である。お馴染みの「地球の歩き方」にさえ、ミクロネシア編は出されていないのである。
ともあれミクロネシアを訪れ、様々な自然や風俗にふれて日本に帰ってくる。ヤップでみんなが口を真っ赤にしていたあの木の実はいったい何だろう。何でポンペイのテレビは番組の途中でぶっつり途切れたりするんだろう。しかしそんな疑問に答えてくれる本を探すのはこれまた至難の業だった。
さて、そんなミクロネシアの「情報砂漠」状態を一気に解決するのが、昨年11月にでた本書である。
「カルチャーガイド」と銘打ってある本シリーズは、一般のガイドブックにあるような「美味しいレストラン」とか「ホテルの案内」などはほとんど載っていない。しかし、我々がミクロネシアを訪れて感じる、チョットした疑問に答える項目がずらりと並んでいる。曰く「夜遊びは踊るか儲けるか」「価値ある石や貝の正体とは?」「フィリピン人なしに生きてはいけない」など、ミクロネシア地域(グアム、サイパン、ナウル、キリバスも含む)の生活文化と大衆文化を、平易な文章で、かつ深く掘り下げて紹介している。明るい表紙と、ふんだんに盛られた写真もまたミクロネシアへのイメージを膨らませてくれる。ミクロネシアの島々とそこにすむ人々の等身大の姿を知るにはもってこいの一冊である。
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