PACIFIC WAY

    パラオ短信
  

上原伸一(うえはら しんいち)


 パラオは今年は選挙の年である。7月13日に正副大統領選の立候補が締め切られた。国会議員の方の締め切りは8月24日の予定である。大統領選においては、現職のナカムラ大統領が既に再選を果たしており、依然人気を誇っているものの憲法の規定(連続して3期以上は勤められない)により今回は立候補出来ない。一方、上院では8年ごとの選挙区見直しにより、全国一区となり議員定数がこれまでの14名から9名に減り、激戦となる。
 
 大統領選の立候補者は、トーマス・レメンゲソウJr現副大統領、ピーター・スギヤマ現上院議員、サントス・オリコン現上院議員、ビリー・クワルティ現教育大臣、ベン・ロベルト現アンガウル州知事の5名である。立候補者が3名以上となったので、9月26日に予備選挙が行われ、上位2名が11月7日の本選挙に臨む。
 
 現職副大統領のトーマス・レメンゲソウJr氏と共に、今回の大統領選で有力視されていたジャンセン・トリビューン弁護士や常連のアイバドル南部大酋長等が立候補しなかったため、スギヤマ上院議員を抑えてレメンゲソウ副大統領が相当優位に立っていると思われる。
 
 副大統領選の立候補者は、アレン・シード現下院議員、サンドラ・ピエラントッチ現上院議員の2名。こちらは、予備選挙はない。ちなみにこの二人は親戚であり、こうした場合、パラオでは通常何らかの“調整”が行われて来たが、今回はどうなるのか。パラオの近代化とあいまってこうした部分の動向も注目される。