第5回太平洋・島サミット『北海道アイランダーズ宣言』の骨子
1.総論
・日本とPIFは、両者の間にかつてなく強固な関係が築かれていることを認識。「We are islanders−エコで豊かな太平洋」の下、環境・気候変動問題を含む地域の諸課題に、対等なパートナーとして取り組むことで一致。
・ PIF側は、日本が1997年から太平洋・島サミットを開催し、太平洋島嶼国への支援を行ってきたことに深い謝意を表明。特に前回島サミットで公表された支援策が着実に実施されていることを歓迎。
・日本、豪州及びニュージーランドは援助協調を推進していくことで一致。
・日本は、太平洋島嶼国に対し、今後3年間で総額500億円規模の支援を行うことを表明。
2.環境・気候変動
・日本とPIFは、太平洋を共有する対等なパートナーとして「太平洋環境共同体」を設置、環境・気候変動問題に共に取り組んでいくことで一致(付属文書1参照)。
・日本は、今後3年間で1500人規模の人材育成を行うことを表明。PIF側は、日本によるPIFへの支援(68億円)を歓迎。クールアース・パートナーシップ推進構想を支持。
・日本とPIFは、すべての主要経済国が責任ある形で参加する公平で実効性のある2013年以降の枠組み構築に向けた協力の重要性につき一致。
3.人間の安全保障の視点を踏まえた脆弱性の克服
・日本とPIFは、保健、水供給、教育等、人間の安全保障に関する諸問題に取り組み、太平洋島嶼国の抱える脆弱性を克服していくことについて一致。日本は、世界経済危機の影響緩和を支援。
・日本は、本分野に関し、今後3年間で2000人規模の人材育成を行うことを表明。
4.人と人との交流(キズナ・プラン)(付属文書2参照)
・日本は、太平洋島嶼国との人と人との交流を強化するための「キズナ・プラン」を表明。
5.漁業
・日本とPIFは、水産資源の保全・管理に協力していくことで一致。PIF側は、日本の漁業振興への協力に感謝。
6.貿易・投資
・日本とPIFは、太平洋諸島センターの機能強化を歓迎。観光促進の重要性につき一致。
7.太平洋地域の平和と安定への日本の支援
・ PIF側は、太平洋地域の平和と安定に関する日本の強い関心を歓迎。
8.フォローアップメカニズム
・ 2010年にハイレベル中間会合を開催。
「北海道アイランダーズ宣言」付属文書2:宣言行動計画(骨子)
<基本的考え方>
・日本は、今次島サミットで打ち出された(1)環境・気候変動分野、(2)人間の安全保障、(3)人と人との交流を中心として、「パシフィック・プラン」に基づく太平洋島嶼国の自助努力を包括的に支援。今後3年間で、総額500億円規模の支援を行う。豪州、NZ、に加え、世銀、ADB、UNDPをはじめとする主要ドナーとの協力の可能性を検討していく。
1.経済成長
・貿易・投資:太平洋諸島センター(PIC)の機能強化、「太平洋諸島展」、「一村一品キャンペーン」を通じた魅力の発信
・インフラ:電力、運輸及び情報通信インフラ整備のための資金協力及び技術協力
・漁業:持続可能な漁業の推進や地域漁業の振興のための資金協力及び技術協力
・農業:持続可能な農業促進のための技術協力、水資源の有効活用技術の開発
・観光:人材育成、PICを通じた魅力発信、無形文化遺産保護等
2.持続可能な開発
・気候変動への適応:日本の科学技術を活かした海面上昇への対応強化
・再生可能エネルギー:PIFへの支援を通じた太陽光発電の導入
・水と衛生:PIFへの支援を通じた水給水支援
・廃棄物管理:福岡方式による廃棄物埋立地の改善、3R推進等
・環境保全:自然保護区の管理能力向上、サンゴ礁保護、森林保全
・保健:地域看護指導者の育成や設備改善、予防接種の強化
・教育:情報通信技術を活用した遠隔教育や地方の教育施設整備
3.良い統治
・政策策定能力や行政能力向上のための専門家派遣や研修
4.安全確保
・衛星を利用した災害対策支援等、防災体制の強化
・海運の安全向上のための人材育成
・自然災害対策リスクに対する保険システムの研究
5.人と人との交流:「キズナ・プラン」
・日本と島嶼国間の人的交流を包括的・戦略的に拡充、今後3年間で1,000人を超える青少年交流を行う。
・日本・ASEAN・PIFをつなぐ新しい交流プログラムの開始(環境分野、50人)
・研究留学生を倍増。「世界青年の船」事業の拡充。
・交流事業参加者のネットワーク化(日本留学生の同窓会初開催等)。
・日本人の観光面での関心を高めるため、官民の専門家からなる有識者会合「太平洋観光促進フォーラム」を立ち上げ。
第5回 太平洋・島サミット参加首脳及び配偶者