◆パラオ
パラオWTO加盟を希望
パラオのカレブ・オットー(Caleb
Otto)公共保健局長は「WTO加盟は重要である。WTO加盟国が従う食糧安全基準(Codex Standard)やガイドラインを受け入れなければ、他国はパラオと貿易をしないだろう」と述べ、政府の積極的な取り組みを要請した。
(PIR,2002.12.26)
カヤンゲル州埠頭完成間近
セオ・イサム(Theo
Isamu)海洋資源局長によると、日本の漁業基金による300万ドルの埠頭・漁業施設がこの3月に完成の見通しである。この埠頭により、カヤンゲルへのアクセスが容易になり、州の経済発展が期待される。
(PIR,2003.1.9)
ガルドマウ(Ngardmau)前州知事の有罪判決に温情?
ガルドマウ州のマサオ・エセベイ(Masao
Esebei)知事は有罪判決を受けたアルベルト・ギルメクル(Albert
Ngirmekur)前知事の寛大な処分を判事に求めている。
前知事は州議会から告発され、16件の不正行為、14件の偽造、9件の詐欺、7件の窃盗、5件の使い込みで有罪判決を受けており、最高10年の禁固刑もしくは1万ドルの罰金、もしくはその両方の刑罰を科される可能性がある。エセベイ知事は、前知事には州政府から不当に得た財産の返還させるべきだが、禁固刑は前知事の家族と子供に悪影響を与え、コミュニティ全体の問題となると言う理由で、できれば執行猶予にすべきだと述べている。
(PIR,2003.1.22)
2002年パラオ来訪者内訳
移民局によると、昨年パラオ来訪者は58,955人で、このうち目的別で一番多いのが観光客で51,299人(国別で多い順に日本人24,326人、台湾人15,430人、米国人7,903人)。2番目に多いのは外国人労働者で3,172人(フィリピン人1,703人、中国人333人、米国人264人)だった。ビジネスのための来訪者は1,865人(米国人986人、日本人217人、フィリピン人113人)で、以下、宗教、教育関係者等だった。
(PIR,2003.1.23)
オリコング駐日大使赴任
サントス・オリコング(Santos
Olikong)駐日パラオ大使は2月1日に赴任の予定。オリコング大使は「とても重要なポストである。日本はパラオの経済発展にきわめて重要な役目を担っており、日本がパラオを必要とするより、パラオは日本を必要としている。しかしパラオは日本に海洋資源や原料を供給し続けられるだろう。両国の関係は一層大きな強固なものになる可能性を持っている」と述べ、より一層の関係強化と援助を要請した。
(PIR,2003.1.15)
大酋長、暴行で訴えられる
アイバドール・ユタカ・ギボンズ大酋長(High
Chief)はパラオ公共土地協会(Palao
Public Land Authority)のマッセウ・ジョンソン(Matthew
Johnson)顧問弁護士への暴行の容疑で起訴された。告訴状によると、事件は昨年の6月7日、ジョンソン氏が公聴会に出席するため、コロール州のビルディングの待ち合わせ場所にいた際に、ギボンズ酋長はジョンソン氏の公聴会出席を思いとどまらせようとしたが、ジョンソン氏が断ったため、ギボンズ酋長は野球バットでジョンソン氏の頭部を少なくとも3回強打したというものである。
(PIR,2003.1.22)
外国人労働者の雇用制限を緩和
商業・貿易省によると、スリランカ、インド、バングラデシュ人に対する賃金労働者雇用制限が緩和される。バングラデシュ人の雇用に一時停止措置が採られたのは1998年からで、スリランカ人とインド人の雇用は2001年の7月から禁止となっていた。オトイチ・ベセベス(Otoichi
Besebes)大臣は「スリランカ人の雇用はすでに許可されている。インド人とバングラデシュ人は個々の事例ごとに処理する」と述べた。少数の不法者を理由としてその国民すべてを排除するのは差別であるという批判に対し、「雇用停止は差別ではなく、当時の問題を解決するためであった」と同大臣は反論した。
(PIR,2003.1.29)
2002年の収入、7.7%の減少
大蔵省によると、総収入税、総賃金税、総輸入税の主要3財源からなる昨年の政府の総収入は1804万8千ドルで、前年より150万ドル少なく、前年比で7.7%のダウンとなった。
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総輸入税は472万2千ドル。内シン・タックス(酒とタバコにかかる税金)は221万3千ドル。衣料、家具、車の輸入で250万5千ドル。サダング(Elbuchel
Sadang)蔵相は、総輸入税の減少の原因として、9,11テロ以降の世界的な経済不振、シン・タックスの50%値下げによる減収、および建設工事数の減少、をあげた。
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総収入税は745万1千万ドル。前年比で8%の増加。
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総賃金税587万1千ドル。前年比で1%の減少。
(PIR,2003.2.6)
パラオ初の女性大使誕生
フィリピン公使にアニタ・R・スタ(Anita
R Suta)氏が就任。パラオ初の女性公使となる。
(PIR,2003.2.1)
不法職業斡旋機関について討議
パラオでは違法な就職斡旋によるフィリピン人の被害が報告されており、その対策を討議するために、フィリピン議員が来島した。フィリピン議会では外国の人材派遣機関による違法な就職斡旋を規制する法案を提出中である。フィリピン議員はパラオに対し違法就職斡旋に対する制限条項・被害者の保護手段の検討を申し入れたのに対し、レメンゲソウ大統領は協力を約束した。
(PIR,2003.2.19)
観光産業の代表が集結
2月21日―23日にパラオで太平洋アジア旅行協会(Pacific
Asia Travel Association)ミクロネシア支部の会合が開かれる予定で、40人以上の観光産業の代表が集まる見通しである。会合ではマーケッティング、特別プロジェクト、教育、サイクロンなどの議題が討論される。
(PIR,2003.2.6)
大統領、議会を訴える
レメンゲソウ大統領は2003年会計年度予算案の条項は首長の権限を侵害するものだと民事訴訟を起こし、行政部門と議会の間で争いが続いている。
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予算案は、行政部門を再編成するため大統領が発した行政命令を無視し、政府機関を排除した「純粋な行政機関」を企て、行政部門を編成する大統領の憲法的、法的権限を無視している。
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予算案のいくつかの章は外交に関する大統領の権限を制限し、大統領権限に干渉している。
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議会(OEK)は予算案に外国からの基金や開発援助の再計画をOEKの賛成のもとに決定する条項を加えている。
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倫理委員会や国営航空行政にあてる基金の再計画を禁止する条項がある。
大統領は以上のような異議を唱え、裁判所にこれらの条項の無効宣言を要求している。レメンゲソウ大統領は「今までの行政の歴史のなかで、行政府の編成・再編成権や充当金支出権といった大統領権限をOEKにより否定されたことはなかった」と述べている。
(PIR,2003.2.18)
道路修復調査で日本技術者来島
今月中に日本のエンジニアチームがパラオの道路調査のため来島する。この調査は日本の資金供与による道路修復工事の第一段階である。調査チームはパラオ空港からマラカル(Malakal)への国道を調査する予定。この道路は30年前に作られたもので、交通渋滞の悪化や観光客増加のため改良工事が必要となっている。この供与にはコロールの交差点拡幅工事や信号、歩道、街灯の整備も含まれる予定である。
(PIR,2003.3.13)
政府、中国人労働者送還に協力
パラオ政府は200人の中国人労働者の本国送還に全面的に協力することとなった。この中国人労働者らは、マラカルのオリエンタックス衣料工場で働いていたが、オリエンタックス社が営業を停止したために立ち往生状態になっていた。彼らは先月、会社に抗議し2ヶ月分の給与支払いを要求していた。衣料工場は売却され、台湾人経営者はこの問題を放置したままパラオを離れている。ビリー・クアルテイ(Billy
Kuartei)大統領補佐官は、政府は彼らの本国送還のため中国大使館と協力し、離島までの住居や生活必需品を提供し、未払いの賃金も支払うと述べている。
(PIR,2003.3.12/4.3)
観光国リーダー、コロールで会議
3月7日、コロールで観光産業推進サミットが開かれ、パラオ、グアム、ヤップ、北マリアナのリーダーが観光産業国共通の諸問題(リサイクル問題など)について話し合った。ホスト役のレメンゲソウ大統領のほかに今回出席したのはフェリックス・カマチョ(Felix
Camacho)グアム知事、ジュアン・ババウタ(Juan
Babauta)北マリアナ知事、ロバート・ルエチョ(Robert
Ruecho)ヤップ知事。将来、より多くの国の参加と協力により、共通の問題の解決を目指す。
(PIR,2003.3.7)
特別選挙、マルソルが勝利
さきの選挙で上院議員として選出されたエリアス・カムセク・チン(Elis
Camsek Chin)が被選挙権の条件を欠いていたため、4月2日の上院の特別選挙でルシアス・マルソル(Lucius
Malsol)が選ばれた。マルソルは1494票を獲得、二位は候補者として記載されていないにも関わらず、1341票でチン氏であった。
またアイメリク(Aimeliik)の特別下院選挙ではカリストウス・ギルトロン(Kalistus
Ngirturong)が223票で勝利をおさめた。
(PIR,2003.4.9)
◆ミクロネシア連邦
アジア開発銀行基金、会計プログラムを支援
アジア開発銀行(ADB)は、ミクロネシア連邦の合理的な財政運営の開発を支援するために36万ドルの技術援助基金を承認した。連邦政府財務省と州政府財務局に導入される新しい財政運営情報システムの実行に要するトレーナーと訓練の資金提供を行う。開発銀行は、FSMでは会計士が不足しているが、この訓練で正式な会計士資格プログラムを完成できる人材を育てることができ、外国人会計士への依存を減らせると述べた。
(PIR,2003.1.8)
外相、コンパクト再交渉問題でパラオに協力要請
FSMは現在、米国と新コンパクトの交渉中であるが、米国側は安全保障上の理由からFSM国民に自由な米国入国を許す現在の条項を修正し、入国を制限しようとしている。さらに、この条項に関しては米国は議論の余地がないと述べ、交渉はもっぱら財政援助パッケージに限られている。そのためFSM外相は、サンドラ・ピエラントッチ(Sandra
Pierantozzi)パラオ副大統領に、条項修正反対について協力を求めた。ピエラントッチ副大統領は、「パラオ自身のコンパクト交渉はまだ先のことだが、FSMの交渉結果は当然パラオに影響する問題である」と述べた。
(PIR,2003.1.23)
マグロ委員会本部、立ち上げに向けて進行
FSMでは、昨年11月のマニラ会議でポンペイがマグロ委員会(Tuna
Commission)の本部誘致に成功したことをうけ、アキリノ・スサイア(Akillino
Susaia)輸送・商業・インフラ相率いる本部設立プロジェクトチームが作られた。
一方、本部地はまだ正式決定ではないという意見もある。南太平洋大学のサンドラ・タルテ(Sandra
Tarte)博士は、「マニラ会議での決定は推薦であり、正式決定は協定の制定まで凍結され、いくつかの国はポンペイが本部地の基準に合っていると信じないだろう」と述べている。これに対し、マーシャル諸島海洋資源協会ダニー・ワセ(Danny
Wase)会長は「いったん投票が行われた限り、決定に不服はない。これは全員の合意だ」と述べている。
(PIR,2003.2.10/24)
国会議員選挙結果
3月4日、ミクロネシア連邦第13議会議員選挙が行われた。争われたのは2年任期議員(two-year)の10議席と各州1議席ずつの4年任期議員(at-large)の4議席。開票結果は以下の通り。初当選は5人だった。
チューク州
At-large:
レドリー・キリオン(Redly
Killion)
Two-year
District1:ヘンリー・アスガー
(Henry Asugar)
District2:ローゼヴェルト・カンソウ(Roosevert
Kansou)
District3:サビノ・S・アソ−(Sabino
S. Asor)
District4:チウィター・アリトス(Tiwiter
Aritos)
District5:モーゼス・ネルソン(Moses
Nelson)
コスラエ州
At-large:アリク・L・アリク(Alik
L.Alik)
Two-year:クラウデ・H・フィリップ(Claude
H.Phillip)
ポンペイ州
At-large:レシオ・S・モーゼス(Resio
S.Moses)
District1:ドーシス・S・ハルベルト(Dohsis
S.Halbert)
District2:ディオン・G・ネス(Dion
G.Neth)
District3:ペーター・M・クリスティアン(Peter
M.Christian)
ヤップ州
At-large:ジョセフ・J・ウルセマル(Joseph
J.Urusemal)
Two-year:イサック・フィギー(Isaac
Figir)
ファルカム大統領、敗れる
ファルカム大統領は今回の選挙で、ポンペイ州At−large議席を争い、長年の宿敵レシオ・モーゼスに敗れた。ファルカム氏は1983年にポンペイ州知事選でモ−ゼス氏に敗れたが、1994年の議員選挙ではモーゼス氏に勝ち、その後大統領の地位まで上り詰めた。
モーゼス氏は議会により新大統領に選出されたため、空席となったポンペイAt-large議席は6月の特別選挙で選出される。
(PIR,2003.3.7)
◆マーシャル諸島
政府、ギャンブル時間制限措置緩和
政府はポーカー店の営業時間制限を取り消し、24時間営業を復活させた。しかし、店舗にセキュリティ設備をそなえることを24時間営業の許可条件とした。
(PIR,2002.12.5)
コプラ産業の状況
米国統計局の最近の研究によると、マーシャル諸島のコプラ生産とコプラ加工業に従事する女性の数は、1960年代後半と比べ10倍以上に増加している。そのため全体として、ココナッツオイルの市場価格が低迷し、都市部へ島民が流出しているにもかかわらず、コプラ生産者数は減少していない。
1967年に1,644人であった生産者は1999年には1,700人となり、この数字は非政府関係就労者の四分の一を占め、マーシャル諸島で最大の職種となっている。離島の収入源はコプラ生産以外にほとんどなく、手工業品、塩、魚の燻製の生産がわずかに行われている。都市部では、政府関連企業の仕事に従事しやすく、クワジェリンミサイル基地では約1,300人の島民が働いており、コプラ生産者は2人となっている。ココナッツ加工工場があり、1967年にはコプラ生産・加工業者が二番めに多かったマジュロは、1999年には、その数は60%激減し、他ビジネスへの転職者が目だっている。
(PIR,2002.12.24)
地元企業苦戦の見通し
地元のビジネスリーダーである、ロバート・レイマーズ氏は、近年のアジア資本企業の増加、資本の流出や停滞状態の経済により、一年以内にマーシャル諸島の複数の大手商店が廃業に追い込まれるだろうと述べた。
マーシャル人企業の経営悪化は前政府のアジアへのパスポート販売政策の影響を被っている。1990年代に約2,000のパスポートが中国、香港、台湾へ販売され、1990年代後半から急増した帰化移民がビジネスを始めた。それに伴い観光ビザしか持たない不法滞在者が急増。2002年、ようやく政府はこれらの不法滞在者の追放手続きをはじめた。レイマーズ氏は、マーシャル諸島経済に打撃を与えているのはグローバリゼーションで、この新しいビジネス環境に地元企業も政府も適応できておらず、地元企業が競争に生き残るためには、政府の積極的対策が不可欠だと語った。その他に、次の問題点が指摘された。
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アジア系企業は税を逃れる不法な輸入により、不当に安価な価格を製品につけていること。
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米国ドルの流出。
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多くのマーシャル人が米国に移民しているため、彼らが受けるクワジェリン基地補償金が国内経済で循環しないこと。
(PIR,2003.1.7)
不法滞在者検査官を増員
移民局は多数の不法滞在者対策として検査官を倍増し、空港や港に加えビジネスや建設現場などにもチェックポイントを設け検査機能を強化した。移民局はまた、偽りの口実を設けアジア人をマーシャル諸島内へ連れ込む「スポンサー」も取締りのターゲットにするつもりだと述べた。
従来の手ぬるい移民規則に代わる新たな規則が数ヶ月前に起草されている。その中には来島者には往復航空運賃以上の保証金事前預け入れなどもある。すでに移民局により新しい入国資格として、アジア人来島者のビザの事前申請が義務付けられている。
(PIR,2003.1.17)
コプラ生産量50%減少
昨年のコプラ生産高は1951年に統計が始まって以来の最悪の記録となった。2002年にトボラー(Tobor)のコプラ処理工場に運ばれたコプラは2,652トンで、これは2001年の5,275トンの50%減である。減少の原因は、世界市場でのコプラ油価格の値下がりにより、コプラ油生産が休止となったためで、7ヶ月間にわたり工場へのコプラ搬入が制限された。さらに処理中断の間貯蔵されていたコプラは乾燥やネズミによる被害で質が劣化していたため、工場側がコプラ購入に厳しい基準を設けたことも原因の一つに挙げられる。
(PIR,2003.1.20)
クワジェリン使用延長協定に仮調印
金曜日におこなわれたホノルルでの話し合いの後、アルベルト・ショート米国交渉官とマーシャル諸島のジェラルド・ザッキオス外相は、1年近く交渉が続いていたクワジェリンミサイル基地の使用延長協定に仮調印した。この新協定は、米国に2066年までのクワジェリンの軍事使用、更に20年の追加延長の選択権を与え、その代償にマーシャル諸島に土地使用料、コミュニティ開発援助、環境保護援助としてすくなくとも11億ドルを供与するものである。レンタル料はこれまでの年113万ドルから年150万ドルへ値上げされ(2014年からは180万ドル)、インフレによる変動も考慮される。現在の制度ではレンタル料は70人の伝統的リーダーに渡されるので、協定はレンタル料の「広く公平な分配」のための新制度を要求している。また責任の確保のため、クワジェリン環礁開発協会からマーシャル政府に基金使用の権限が戻される。
今後、両政府と土地所有者の正式な承認が必要であるが、土地所有者はこの取り決めに反対である。彼らは反対の理由として、仮調印は土地所有者の参加なしにおこなわれたこと、レンタル料は190万ドルが最低ラインであること、クワジェリンの使用は伝統的土地所有制度のもと土地所有者に支配権があり、新協定は土地所有者の要求を満たしていないこと、などを理由にあげている。
(PIR,2003.1.13/20/24)
(追記) クワジェリン基地使用延長協定を含む新コンパクトは、4月末に調印の見通し。米国は20年間で8億ドルの基金供与とクワジェリン基地使用料として23億ドルの計30億ドルを供与することで合意の見通し。また基地使用料問題と共に、新コンパクト交渉の焦点の一つであった移民条項(マーシャル諸島国民はビザなしで期間制限なしに入国や居住が許される。米国側は厳格化を主張していた)は現状のまま維持されるもようである。
(PIR,2003.4.11)